はじめに
こんにちは。ロアッソ観戦記「だれだれろっそ!」へようこそ!
今回は2024年10月6日 J2 第34節ホーム徳島ヴォルティス戦の観戦記を記します。
なお, 今回もロアッソ熊本の選手名は敬称略とさせていただきます。
また, チャート上の表記は登録ポジションで記載しているため、本節布陣と異なることがあります。
あらかじめご了承ください。
熱い主観性と一歩引いた客観性の双方の角度から記した観戦記です。ぜひお楽しみください。
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ロアッソチャートの要素と視点について
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前節の観戦記はこちら!
ロアッソ熊本 vs ザスパ群馬戦(A) 観戦記
試合の位置付け
本節はJ2第34節 徳島との一戦。前回対戦時はアウェイで1-2の勝利を納めている。
4連勝の波に乗る我らがロアッソ熊本は, 順位を12位に押し上げ, 降格争いから抜け出したといえる状況になった。
むしろ勝利を重ね、プレーオフ圏を狙いたいところ。
前節熊本は敵地で群馬相手に3-2で勝利し, 連戦の中4連勝を飾りチームは勢いに乗っている。
失点はしたものの、いずれの失点も疲れに起因した寄せの甘さやフィジカルバランスの乱れによるものだった。当人たちは普段から高い献身性でチームを支えているし、連戦の中勝利に貢献してたためむしろ賞賛したい。
一方の13位徳島は勝ち点42で熊本と並び, 得失点1ポイント差で熊本を追従している。順位のみで判断すれば、両者の力は互角といったところか。
連戦のリカバリー明けということで試合勘や強度面で若干の不安が残る。もちろん選手スタッフには信頼しているが。
ホーム連敗の呪縛は第31節 秋田戦で解き放たれた。もう怖いものはない。
連敗の呪縛から連勝神話へ。今節も勝ってシーズンダブルだ!!
この記事の要約
・石川の存在が大きすぎる。
・もう少し熊本らしさを発揮したい内容であった。
・熊本のサッカーはもっと面白いゾ!
だれだれろっそ!!!
GK:田代琉我
失点2。最後の砦なんだ。
1.2失点目ともに非常に惜しかった。いいポジショニングだったと思う。
61分などでは高い位置にも関わらず、落ち着いてビルドアップ
期待を込めて、いずれの失点も田代なら止めれたゾ。
いつもありがとう。ナイスプレー。
DF:大西 遼太郎
攻撃時の大西らしさをもっと見たかった。
石川への裏パスや中盤をもケアされた上に5バックの相手DF陣を前に攻撃の糸口を掴めずにいた。
それでも18分など相手をドリブルで剥がして攻撃の機会をを伺うなど、頻度は少なかったが大西らしさは随所で見られた。
32分のスライディングでのブロックに限らず、多くのシーンで守備面での大きな安定感をもたらした。
ナイスプレー。
DF:江﨑 巧朗
守備陣に一層の安定感をもたらしたかった。
しかし決して江崎のプレーが悪かったわけではなく、前線の選手が前からハメに行ったシーンなどで中盤の広いスペースを自由に使わせてしまった印象。
相手のスピードとの兼ね合いもあるが、可能であればDFラインの押し上げてスペースを埋めたかった。
前線から積極的に仕掛ける熊本の攻撃やボール回収スタイルを維持しつつ、クリーンシートを目指すのは難しいところがあるかもしれない。
しかし、毎試合失点しているイメージなのでクリーンシートにはチーム全体で一層こだわりたい。
毎度のごとく3バックのセンターとして多くのプレッシャーもある中、素晴らしいパフォーマンスだった。
DF:岩下 航
全体的に球離れがよくなかった
いわゆる「らしさ」が見れなかった印象。
右サイドと同じくこちらのサイドも積極的に狙われていた。
空回りというわけではない、熱さが先行しすぎた印象。
何度も相手FWと身体が入れ替わるシーンが見られ、50:50のボールの処理に苦戦している様子であった。
にしてもブラウンノア選手, 足速すぎね...
攻撃時も積極的に前線に顔を出し40分には相手ゴール前でターゲットになっていた。
それでもCBの一角ながら、前線のサポートに積極的に顔を出すなど非常に良いパフォーマンスであった。
ナイスプレー。
MF:豊田 歩
コーナーキックの一層の精度を望みたい。
もっとも、ボールの質は決して悪くはないのだがせっかくならコーナーキックも相手の脅威としたい。
またラストパスでも違いを出したい。豊田のセンスがあれば目が醒めるラストパスが数多く出せるはずなんだ。
71分の自陣右サイド深い位置でのタックルも非常に良かった。
攻撃面でさらなる違いを出したかったが、パスワークを維持する上で重要な役割を担った。
中盤もケアされながら5枚のディフェンスを相手に難しい戦いになったと思う。
それでも非常に良いパフォーマンスであった。
MF:上村 周平
マンマーク気味の執拗な守備で苦しめられた。
必要に応じて、というより積極的にディフェンスラインの一角を形成し、パスコースの創出に奮闘していた。
70分の意表をついたクイックリスタート。非常に良し。
直接の決定機創出には至らなかったものも 味方らの空いたスペースを常にカバーしながらボール奪取。
常に攻撃の起点となっていた。
上村は熊本の心臓以外の何物でもない。
あわや被カウンターの場面なども落ち着いて対応。
上村以外他に何も望まない。いつもいつもありがとう。
MF:古長谷 千博
コーナーキックからアシストを記録。
上村と同じく相手のマークに苦しんだ。
前半AT46分の松岡への裏パスなど、僅かなスペースに大いな可能性を見出すパスは相変わらず健在。至高。
古長谷については多くを語る必要はない。今は聞かなくなったキーマンという言葉がよく似合う。
積極的な上下動を毎試合続けてくれてありがとう。
アシストシーンのみならず、セットプレーでは高精度の質の高いボールで相手ゴールを脅かした。
欠かせないピースだゾ。ナイスプレー。
MF:三島 頌平
クールながら熱いプレーを見せてくれた。
15分など随所で落ち着いたボールタッチを披露。
左サイドのネットワークな一端を担った。
1失点目のシーン。ボックス内とはいえもう少し厳しく寄せたかったか。
そのシーンが非常に悔やまれる。シュートコースを切りながら、重心も動かしながら難しかったとは思う。
苦戦していた岩下のサポートありがとう。
68分の走り込んできてのミドルシュート。精度も高く非常に良かった。
上村を心臓とするなら左の肺といったところか。
そんな比喩ももったいないくらいに左サイドで存在感を示した。
ナイスプレー。
FW:大本 祐槻(→FW:大﨑 舜)
ラストパスにも可能性を感じるようになった。非常に嬉しい。
決して元から悪いわけではなかったのだが、精度が向上したように思う。
縦方向へ大きなベクトルを生かし, 右サイドで十分すぎる活躍。
と思えば、バイタルにも顔を出すなど嫌なポジショニングで相手を翻弄。
速すぎる故に、理不尽な笛に苦しんでいたね。3個くらい被ファール貰えてたゾ。
いつもありがとう。
言わずもがなナイスプレー。
FW:大崎 舜(65分)
随所でボールカットなど、守備面の立ち位置は改善が見られる。
攻撃時の立ち位置はなんとかならないものか。
内側に寄っていくのは、意図的なのか?CF的な癖なのか。
周囲と意思疎通が図られているなら良いが。
ボールを収めてくれるシーンをもっと見たい。
カウンターのシーンなどでのパスはあと1m前に。
少なくとも闘志溢れるプレーであればなんでもいい。
前節まで見られた交代による前線の活性化はあまり見られなかった。
しかしそれでも効果的なボール奪取などカウンターの脅威になり得るプレーが多く見られた。
85分。ボールを収めることができたら最高だったね。
わずかではあるが、大木監督がやろうとしているサッカーに馴染んで来ている印象。
いつも変わらず応援しているゾ。ナイスプレー。
FW:石川 大地(→MF:竹本 雄飛)
今節も積極的な上下動、ポストプレーで攻撃の起点を創出。
裏やポストプレーへの過剰な警戒で思うようなプレーが封じられていたか。
それでもセットプレーから先制点決め、その他多くのシーンでライン間で顔を出していた。
足が攣るほど走り回っていた。
素晴らしいパフォーマンスだった。
MF:竹本 雄飛 (in:79分)
ポストプレーとターゲット的役割の狭間で、自身の立ち位置を模索していた。
雄飛。もっとリラックスしてプレーしていいぞ。最近のプレーを見ていると、与えられた役割やタスクで「がんじがらめ」になっているようにも見える。
雄飛の良さは意外性のある動きやラストパスだ。本人が楽しんでプレーできているならこの上ないが、言葉を選ばずに言えば「好きにプレーしていいゾ」。
石川の交代として投入されたが、石川のパフォーマンスが良すぎるため、彼と同等のパフォーマンスとはならなかった。
しかしそれでも、ゴール前のポジショニングや藤井らとの関係性の中で一定の脅威になっていた。
ナイスプレー。もっとラフにな。応援してるゾ。
FW:松岡 瑠夢(→MF:藤井 皓也)
J通算100試合出場おめでとう。
周囲との連携の向上が見られる。
前線へのボールカット。赤黒的なシュートを通じて相手DF陣に積極的にダメージを与えていた。
特に30分のシュートシーンは松岡らしい。
瑠夢はサイドの脅威になっているからこそ、インレーンに積極的に位置取るなどして、三島や岩下を活かすようなプレーが一層見られても面白いかもしれない。
変わらず素晴らしいパフォーマンスだった。
ナイスプレー。
MF:藤井 皓也(in:65分)
悪くはない。サイドだけでなくペナルティエリアでも足元の技術を活かして欲しいものだ。
周囲との関係性も向上が見られる。
藤井には、周囲の集中をブラックホールのように吸い込む力があると感じているので、相手を惹きつけるだけ惹きつけて裏にパスを出したり大きく展開するなどのプレーも選択肢に入れて欲しい。そうなればむしろ周囲も一定の距離感を保つ必要があるように思う。
これらはあくまでも執筆者の妄想に過ぎない。
サイドでの藤井も決して悪くはなかったが、大本と近い位置に置くのも面白そうだ。
このように可能性や期待を感じさせてくれるボール保持を見せてくれた。ナイスプレー。
80分以降の交代
in / DF: 黒木 晃平 (out MF:三島 頌平 )(86分)
2失点目。
シュートフェイントにあっけなくスライディングで喰い付いてしまった。
ホームサポーターを前にブロックを急ぎすぎた。冷静にファーへのコースを切るだけで十分だったかもしれない。
曇天の下で中途半端な試合を見せるわけにはいかない。
大観衆を前に気持ちが前に出過ぎたのだろう。
途中交代ながら熱い闘志でチームを引っ張っていた。
失点には繋がったものの、その他複数の選手にも彼の姿勢を見習ってもらいたい。
直前のプレーではゴール前に迫るなど攻撃面でも存在感を示した。
素晴らしいパフォーマンスだった。ナイスプレー。
試合総評・チーム総評
チームとしての脆弱性が改めて垣間見えた試合だった。
というのも3-3-1-3特有の、中盤の薄さや選手間の広大なスペースを使われてしまった。
ディフェンスラインのコントロールだけでそれらが埋まるとは思えない。
だからこそ、個々の選手の立ち位置の若干のズレや個での勝負強さが重要になるだろう。
またパスワークについて, いつも見せてくれるコンパクトに形成した組織での連動を見たかった。
石川上村を封じられた途端にできることが限られる。
藤枝戦でも指摘したが、構えた相手にどう戦うかがキーになる。
攻撃についていえば、石川らがいなくなった瞬間に、攻撃陣が機能しなくなった。
石川依存の攻撃のみならず、その他複数の選手でも相手ゴールに迫りたい。
そういった意味では藤井の足元の技術や大﨑の高さ、速さ、竹本のフィニッシャー的役割など途中交代の選手の特性も活かしたい。
大人数に見られたら勝てなくなる点は、早急になんとかした方がいい。
緊張感からくるパスワークの硬さ。ゴールへのルートが見出せなくなっている印象。
精神論を語る気は一切ないが、ホームで勝てないのにはそういった面にも相応の理由がある。
ホームで負けたというよりも、相手の速さや配置変更が一枚上手だった。
そう捉えた方が気分的にもはや楽である。
スタジアムは取り憑かれてるかもしれないが、もはやそんな中でも勝てるチームになりたい。
決して悲観するような内容ではなかったが、いつもの弱さが出てしまった。
次節山口戦にむけて切り替えよう。
だれだれろっそ!
編集:涼火