はじめに
こんにちは。ロアッソ観戦記「だれだれろっそ!」へようこそ!
今回は J2 第37節 ロアッソ熊本 vs ベガルタ仙台 (H)の観戦記を記します。
なお, 今回もロアッソ熊本の選手名は敬称略とさせていただきます。
また, チャート上の表記は登録ポジションで記載しているため、本節布陣と異なることがあります。
あらかじめご了承ください。
熱い主観性と一歩引いた客観性の双方の角度から記した観戦記です。ぜひお楽しみください!
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前節の観戦記はこちら!
ロアッソ熊本 vs モンテディオ山形(A) 観戦記
試合の位置付け
本節はJ2第37節 ベガルタ仙台との一戦。
熊本は前節、敵地山形に0-1で惜敗。前半早々コーナーキックから失点し、相手ゴールに迫ったものの差は縮まらなかった。
しかし内容は決して悪いものではなく、攻守両面においてクオリティの高いものだった。
あえて指摘するとすれば、決定機の逸脱。ゴール前のチャンスは確実に得点につなげたい。
対する仙台は, 前節アウェイで愛媛の2-0の完勝。プレーオフ圏内の6位を死守した。7位の山形との勝ち点差は1しかないため、対熊本戦も勝利必須、強気で乗り込んでくる。
ホーム最終戦。昇格するチームはホームで勝ち続けるんだ。負けはもういい。
来季に向けて助走をつける意味でもホームで確実に勝利を収めたい。
この記事の要約
・決定機をものにした.
・トランジション時のライン間のスペース.
・サイドからの攻撃への対応に不安...
GK:田代 琉我
失点1。
42分のディフレクションボールのキャッチ、素晴らしかった。
80分のコーナーキックでは山なりのハイボールに対しスーパーセーブ。
その他複数シーンで好セーブを連発。
勝ち越し以降はインプレーの時間内で積極的に時間を稼いだ。
クリーンシートとはならなかったものの、15本内12本の枠内シュートを被りながら、守備の要として熊本のゴールマウスを守り続けた。
素晴らしいプレーであった。
いつもありがとう。
DF:大西 遼太郎
8分30秒のインナーラップは可能性を感じた。
石川同点ゴールのアシスト。非常に高精度だった。
大西のクリアは頻繁にコーナキックになってしまう(23分)。
63分ボールヘプレスよし。
80分のコーナーキックでマークを外してしまっていた。田代のセーブによって前節失点シーンの再来とならずに済んだ。
上村とボランチの一角を形成するなど、この上なく効果的な立ち位置でチームを支えた。
大西に限らず、マークを外した、コーナーに逃れたなど些細な粗を探せばキリがない。
大西のパフォーマンスが毎試合高いクオリティであるからこそ、備忘録程度に留めておきたい。
何はともあれ毎試合変わらず素晴らしいパフォーマンスである。
いつもありがとう。
DF:江﨑 巧朗
シーズン序盤の不安定さはもう微塵も感じられない。
素晴らしい安定感で守備陣を鼓舞。
積極的かつ効果的に飛び出しポストプレーを封じた。
29分, ライン間の古長谷へのパス。絶品です。素晴らしい。
定期的に言及しているが、3CBの真ん中という大きな重圧の中戦い抜いてくれる江﨑のおかげで、ロアッソの流動的サッカーは支えられている。
いつもありがとう。
DF:岩下 航
立ち上がり1分、三島へのパスをカットされ先制点を献上。
10分50秒のクロスはよかった。
16分。相手からの再度攻撃を封じた上に、高い位置で被ファール。
序盤のパスの乱れはあったものの、以降は全ての時間帯で安定したプレーを見せてくれた。
攻守での活躍も素晴らしいものだった。
ナイスプレー。
MF:豊田 歩
40分のボール回収よし。
前半の攻撃は60%が右サイドであったが、その一役を担った。
90分のダイビングヘッドでのクリアなど、随所で熱い闘志を感じた。
ラストパスがファーサイドに流れすぎてしまう場面が多く見られた。豊田ならではの高精度のクロスに期待し続けたい。
MF:上村 周平
試合序盤こそ存在感を消されてはいたものの大西らとの高い流動性を生かし、ボールに関わり続けた。
19分のセットプレーからのラストパス、非常に良かった。
63分、トラップがやや大きくなり大きなピンチとなった。
逆転直後だったからこそ注意してもらいたいシーン。
MF:三島 頌平 (→DF:黒木 晃平)
東山の良さをどうにかもっと引き出したい。
27分三島のカウンタープレスバック素晴らしかった。
時にはウイング、時にはボランチ、時にはサイドバックなど多くのタスクをこなした。
逆サイドからサイド展開された際、プレスバックが間に合ってないシーンも見られたが、選手配置や戦術を鑑みると仕方がない。
攻守両面において積極的にプレーをしていた。ナイスプレー。
in / DF: 黒木 晃平 (69分)
高い安定感、安心感。
縦へのスピードを警戒するあまり、寄せがやや甘いように見えるシーンもあったがパスコースの限定はできていた。
途中交代ながら、スタメンと変わらないくらいの存在感を示した。あわや得点というシーンも松岡と被ってしまった。
黒木なら喧嘩したいかもしれない(?)が、50:50のボールだったためどちらにも非はない。
守備陣全体で終了間際に非常に危険なシーンはあったものの、ベテランとして鼓舞を続けしっかり試合を締めてくれた。
ナイスプレー。
MF:古長谷 千博
上村を解放するための降りる動きのみならず、ライン間で存在感を消しながらポジションニングをとることで攻撃のスイッチを入れ続けた。
63分プレスバックよし。
基本的に影は薄く、随所で存在感を大いに発揮するといったトップ下としては十分すぎる役割を果たした。
シャドウのタスクが与えられている場合、ゴールに直接関与したいものだが、常にゴールを狙いながらも周辺選手を活かし続けた。
素晴らしいプレーだった。
FW:大本 祐槻 (→FW:大﨑 舜)
大本からは時折非常に高い質のラストパスが供給される。
17分のインスイングのシュートは非常に高精度であった。
今節は大本特有の縦へのスピードが封じられた形となった。
それでも風のようなチェイシングで相手DF陣のパスワークに混乱をもたらした。
ナイスプレー。
in / FW:大﨑 舜(69分)
前節、可能性を感じるプレーを見せてくれた大﨑には個人的に大きな期待を寄せていた。
前節のように石川との関わりの中でゴールへのルートを見出すかと思ったが、3トップの一角をはっきりと担った。
75分のシーン。解説も言及していたが自分で行っても良かったと思える。
相手のプレスバックに屈した形となった。
3点目。落ち着いてゴールマウスを捉えた。
ダイレクトで沈めるほどの自信が生まれると嬉しい。
ドリブルでのスプリントはずば抜けているからこそ、切り返しなど強弱のついた足元の技術が欲しい。
毎試合向上を続けている大﨑には今後も大いに期待したい。
ナイスプレー。
FW:東山 達稀 (→MF:松岡 瑠夢)
前半はほとんど存在感がなかったものの、20分など積極的に裏のスペースを狙うプレーが見られた。
もちろん相手や味方の立ち位置でパスを捌くに終始した時間帯もあったものの、積極的に周囲と関わりを続けていた。
24分チェイシングgood。スライディングでクリア。
29分クロスは岩下選手とは合わなかったが、質の高いボールだった。
52分ごろから積極的にクロスボールを配球。
60分石川へのアシストに繋がった。インスイングで鋭いボールは東山ならではの球質。
今季終盤は出場機会に恵まれてはいなかったものの、常に秘めていたであろう内なる炎を、プレーで体現してくれた。
交代時の「がんばって」の口の動きから、チームメイトへの想いや勝利へのこだわりが垣間見えた。
ナイスプレー。
in / FW:松岡 瑠夢(69分)
81分の決定機。あれは瑠夢なら確実に決めれた。なぜかDF黒木にブロックされてしまった。
当初していたプレーの硬さもなくなり、試合を重ねるごとにプレー全体での柔軟性が増しているように思う。
三島や岩下を中心に周辺選手との関係性も向上している。
ナイスプレー。
FW:石川 大地(→FW:唐山 翔自)
自信しか感じない。素晴らしい同点ゴール。
26分PA内でナイスボール保持。
59分のシュートもシンプルでありながら、可能性のある力強い軌道を描いた。
60分の勝ち越しゴール。ニアサイドに走り込みながらファーサイドへヘディング。あの咄嗟のアイデアはストライカーにしかできない。
素晴らしいプレーだった。
in / FW: 唐山 翔自
投入直後のアシスト。
唐山は毎試合必ず仕事をしている。
0トップ的な起用となるかと思ったが、意外にもターゲットになっていた。
相手に押された時間帯があったものの、ミドルエリアで有意義なボール保持やファールを被り、嫌な流れを変えてくれた。
目の覚めるシュートを見たくもあった。
右サイドの方が伸び伸びプレーできているように思えたが、与えられたポジションで十分すぎるタスクをこなしてくれた。
ナイスプレー。
80分以降の交代
in / MF: 竹本 雄飛 (out MF:古長谷 千博)(86分)
限られた時間での投入となった。
92分のプレスは寄せるなら寄せる、裏のケアなら裏のケアではっきりした方がいい。
93分のサイドへの対応は体勢を崩しながらもしっかり対応してくれた。
ボールと関われない歯痒さは非常によく分かる。球際の強さやしなやかさがあれば好転するような気もする。
オフザボールの動きなど、自身の立ち位置を模索しているようなので変わらず続けてほしい。
竹本の活躍を心から願っている。ナイスプレー。
試合内容・チーム総評
ホーム最終戦。今シーズン限りで退任する主税コーチのためにもどうしても勝ちたい試合だった。
前半立ち上がり。仙台は前からハメてきた。アンカー上村へのパスコースは常に封じられていたため、大西らとのポジションチェンジ、古長谷・石川らの上下動を積極的に行い、上村を解放した。
正直なところ立ち上がりの失点には呆れてしまった自分がいる。
一方で、普段のホームでの失点は後半ATであることから、逆に勝てるかもと期待した自分もいた。後者で良かった。
大西→石川のホットラインをホーム最終戦で観ることができて非常に満足である。
東山や松岡、大﨑らも非常に高いパフォーマンスであった。
彼らには「得点」という眼に見える形で報われて欲しい。
17分や66分のパスワークは大木節を大いに感じさせてくれた。
あのコンパクトな組織全体を上下左右に移動させ、ゴールを仕留めたいものだ。
守備時の課題は相変わらずサイドからのクロスボールへの対応。
一部危ないシーンがあったものの、いずれも適切に対応し失点には繋がらなかった。
結果だけを見れば非常に良いゲーム内容であったが、来季以降の戦い方を念頭に置くと満足できる守備内容ではなかった。
例えば、トランジション時のライン間のスペース。事実上1ボランチで左右の広大なスペースをカバーする必要がある。
攻撃的CBの影響で両サイドのポケットは空いている。
いかに早くボールホルダーを潰すか。パスコースを限定するか。
ある程度攻撃されるのは仕方ないとして、少しでも安定感のあるパスワーク、ボール保持、確実なシュートフィニッシュ。
このあたりの完成度を限界まで高めたい。
だからこそ消極的なプレーには檄を飛ばしたくなるのだ。
批判を恐れずに言えば、同点に追いつかれていてもおかしくなかった。
次節、 2024最終戦。アウェイで首位清水と戦う。
来季に繋がる内容としながら、しっかり勝利で収めたい。
だれだれろっそ! (編集:涼火)