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ロアッソ熊本 vs ブラウブリッツ秋田(H)戦 観戦記

はじめに

 こんにちは🔥
 ロアッソ観戦記『だれだれろっそ!』編集の涼火です。

 今回は2024年9月21日のJ2 第32節 ホーム ブラウブリッツ秋田戦の観戦記を記します。
 ご共感いただけたら、ぜひ拡散してください。

 なお, 今回もロアッソ熊本の選手名は敬称略とさせていただきます。
 また, チャート上の表記は登録ポジションで記載しているため、本節布陣と異なることがあります。
 あらかじめご了承ください。

 熱い主観性と一歩引いた客観性の双方の角度から記した観戦記です✏️ぜひお楽しみください。

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ロアッソチャートの要素と視点について

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前節の観戦記はこちら!

ロアッソ熊本 vs 鹿児島ユナイテッドFC(A)戦 観戦記

本試合の位置付け・試合展望

タップで詳細

 ホーム戦。苦手意識がついてしまったホーム戦。
 そんなことは言ってられない。今季も残り8試合。今節はホームで11位ブラウブリッツ秋田を迎える。
 (なお熊本は, 第30節甲府戦(A)を未消化の状態。)

 九州勢の直近の不調もあり, 順位を一つ挙げた熊本は大分を抜いて16位となった。しかし降格圏はすぐそこにある。降格圏に片足突っ込んでいるといっても過言ではない。この状況から脱するためにも決して負けられない。
 対する秋田もプレーオフ権を掛けて、勝ち点を積みたいところだろう。

 前節の熊本はほぼ完璧な試合運びであった。風のように大本と唐山の移籍後初ゴールで2-0。アウェイ鹿児島を埋め尽くしたロアッソサポーターは歓喜に包まれた。
 しかし何度か大きな決定機を与えてしまったのも事実。特に被カウンターの場面は、江﨑や田代がギリギリのところで凌いだといった感じだった。

 一方の秋田は、前節アウェイで岡山に0-1で勝利を収めている。スコア的には辛勝の様相だが、試合運びは堅実だった。
 堅守速攻型の秋田4-4-2で布陣を組み、守備時は中央を閉め外に跳ね返し攻撃時は相手陣地深くにボールを蹴り込むというシンプルな戦い方だった。
 また、今季の秋田の得点の約半分がセットプレーからのゴールである。
 これらは秋田の攻撃が単調でありながらも戦略通りに機能していることを暗示している。前節岡山戦の得点はスローインからであったが、意表を突いた形でセットプレーにも転用できるものであった。

 秋田の攻撃のキーになるのが、スピードのあるMF佐藤選手FW小松選手青木選手である。特にFW陣のポストプレーとそれらを活かしたカウンターには要警戒である。

 あくまでも個人的な展望であるし大木監督の戦い方を大いに尊重するが、熊本が勝つためには、はっきりとしたボールのクリアリングセカンドボールの回収が重要になってくるであろう。秋田はロングスローを用いると見せかけ、トリッキーにインスイングのクロスを入れるなど意外性のあるプレーを仕掛けてくる。

 相手にボールを持たせてもさほど脅威ではない。
 クリアは大きくはっきりと。セカンドボールは回収。
 毎試合言っているが、不必要なセットプレーの献上。
 過度な前重心からのカウンター。
これだけは避けたい

 サイドからのクロスには、マークを外さずに。楔(クサビ)に走り込んでくる選手にもついていきたい。
 そもそもポストプレーを簡単に許してはならない。

 ノーファールでポストプレーを制するのは、極めて難しいタスクではあるが連携した守備でうまく無効化したいところ。

 前回、秋田との対戦時は1人少ない中で、1-1の同点だったわけだし自信を持っていこう。

 ついつい熱くなってしまったが、2連勝で弾みをつけ、今季終盤できるだけ上位に駆け上がりたいところだ。

試合経過ログ

前半のログを見る

 ー試合開始ー
6:20 
唐山 良い駆け上がりから被ファール

9:20
大本 右サイドいい駆け上がり。
ラストパスならず。

10:20
パスの乱れ

16:50
熊本 初シュート
(石川のヘディング)

20:00
ナイス

21:00 ゴール!!!
三島 左バイタルからボレー!

24:00 チームスタッツ
支配率63% / シュート2本 / 決定機1

26:50
古長谷→オーバラップした岩下へ
古長谷のパスが素晴らしすぎる。

30:00
相手ミドル被弾

31:00
江﨑治療のため,
5-3-1に布陣を変更

32:00
田代スーパーセーブ

40:00
豊田パスミス
45:00
石川 決定機

45+2分
古長谷のミドルシュート

後半のログを見る

 ー後半開始ー

45:00
上村いい回収

47:00
唐山ドリブル→大西ミドルシュート

48:20
バイタルからペナルティエリアに侵入許す

51:00
古長谷のスルー→石川(相手にカット)

55:00
石川ノーファール
56:00
石川良いシュート

59:00
大本の戻り

66:00
右からインスイングのクロス

69:00
大本ラストパス

70:00 選手交代
大本→大﨑

77:00 ゴール!!
唐山のミドルシュート
(アシスト:上村)

80:00
江﨑ナイスディフェンス

81:00
石川大地

82:00 選手交代
三島→黒木
古長谷→竹本

85:00 選手交代
石川→松岡

・チームの組織力は非常に高かった。
・秋田の思惑通りのサッカーをさせなかった。
・攻撃陣の爆発と中盤と守備の安定。
・最後の試合の締め方は良くなかった。

GK:田代 琉我

田代はこの試合も、江﨑や上村と共に守備陣に安定感をもたらした。

最後の失点。あれはキーパーノーチャンスだから仕方がない。
チームの雰囲気が良くなかった。チーム全体の失点である。

攻守共に気迫溢れる安定感のあるパフォーマンスだった。
秋田が放り込んでくるクロスに対する対応も素晴らしかった。
ナイスプレー。いつもありがとう。

DF:大西 遼太郎

攻守共に素晴らしい活躍

47分のミドルシュート。足の振り、身体の角度、重心、完璧だった。
54分の石川へのフィード。非常に高精度であった。

その他多数の場面で決定機を演出したり、攻撃の起点になっていた。

最後失点に繋がってしまったが、あれは大西悪くない。不安定な体勢ながら、全力でクリアを試みた。
あの失点はチーム全体の失点だから切り替えてほしい。
そろそろ大西のゴールが見たいかもしれない。

毎試合変わらず素晴らしいパフォーマンスである。

DF:江﨑 巧朗

2試合前に指摘したパスレーンの構築。DF間のポジションの連携。

毎試合安定感を増している。

出血し、顔を腫らし、気迫や情熱を感じさせるプレーだった。
3バックのセンターとしての重圧、責任。本当にありがとう。
江﨑が守備の一役を担ってくれているおかげで、チームに上下左右縦横無尽な流動性が生み出されている。
いつもありがとう。ナイスプレー。

DF:岩下 航

気づけばオーバーラップ。気づけばインナーラップ。
左サイドの攻撃の一端を担う。大西と並んで、毎試合安定感のあるパフォーマンスである。
周囲との良い距離感と関係性でピッチを駆け回った。
右の大西、左の岩下。もちろん江﨑との関係性も良好で、守備陣の安定感をもたらした。

欠かすことのできないピース。素晴らしいパフォーマンスだった。

MF:豊田 歩

11分のコーナーキックはものにしたかった。
25分の大本へのパスはアイデアに溢れていた。
42分のインスイングショートクロスは非常に高い精度だった。
44:50の早いリスタートからの石川へのパス。高精度。
56分の相手バックパスを狙ったチェイシング。素晴らしい。
かと思えば, 59分の全力帰陣からのパスカット。この上ない。
88分のミドル。これも引いた相手に対して効果的であったし、非常に高精度だった。

ラストパスに改善が見られており、見ていて非常に面白い
この試合、豊田に注目していたが、非常に高いクオリティで違いを出せる選手であった。
ナイスプレー。

MF:上村 周平

19分の変則的なセットプレーからの鋭いラストパスは非常に良かった。
味方のポジショニングも適宜修正して、チームに安定感をもたらしていた。
2点目のアシスト。ピッチ全体や時間の流れ(相手の間延び感)を俯瞰して見てなければ、あんなパスは出せない。ナイスアシスト。

熊本の心臓部として、攻守に渡って大いに活躍
していた。ナイスプレー。

MF:三島 頌平

左サイドに安定感をもたらした。

21分のビューティフルボレー。まさにゴラッソ。コンパクトな足の振りでボールにやや外回転をかけた。
クーリングブレイク直前のゴールは、チームに精神的なリフレッシュをもたらした。

唐山とポジションが被るシーンが見られたが、いずれも一時的であったし、その後の補正によって相手に混乱を与えた。

前節の観戦記で「三島はもっと積極的になってもいいかも...」と論じたが、撤回する
唐山や岩下の攻撃的で前のめりな重心を補完するようなポジショニングが取れているとも見れるからだ。

チャンスがあればは豪快にシュートを突き刺す。
存在感を指し示すような力強いゴールであった。ナイスプレー

FW:大本 祐槻 (→FW:大﨑 舜)

機動力を活かしたチェイシング。
江﨑の治療で数的不利の局面だったため、願わくば引いて構えて欲しかった。
しかしあれは直後のことだったため、チーム全体が混乱していた。やむを得ない。

69分のラストパスなど惜しかった。しかし多くの決定機を作り出した。
攻守共に十分すぎる活躍だった。いつも駆け回ってくれて本当にありがとう
ナイスプレー。

in:大﨑 舜 (70分)

石川へのアシストで慢心した私が悪かった。

あのシュート。論ずるに値しない。
瑠夢のランニングを無駄にしないでくれ。外してもいいからゴールへの意欲を見せてくれ
ゴールキーパーへの意欲でもない。ゴールポストへの意欲でもない。ゴールネット。強いて言えば、その奥で待ってるサポーターに突き刺すようなシュートを打ってくれ。アウェイ大分戦のパフォーマンスが頭をよぎった。ここは鹿児島じゃない。熊本なんだ。火の国魂を灯してくれ。
それが不可能なら瑠夢に託してくれ。

その1点で、J1への切符を逃したんだ。あのときボール半個分足りなかったんだ。
1点にこだわりを持ってくれ。
チームの雰囲気に関わるんだ。

限られた時間で高いパフォーマンスを期待されるプレッシャー、1対1のプレッシャー。
ゴールが小さく見える、自分がどこにいるのかわからなくなる、ストライカーならでは葛藤。

78分の守備時のポジショニングなど要改善。
チームのパフォーマンスが良すぎるから、過剰に期待している部分もあるかもしれない

石川の負担軽減。前線への活力という意味では効果的な交代だった。
脅威にはなっていなかったが、アシストを演出した。

ダブルタッチでのボール回収は圧巻だった。
裏へのランニングなど周囲との関係性も向上している
ようだ。ナイスプレー

MF:古長谷 千博

誰よりも可能性を感じる軌道・速度のセットプレー。
インレーンの俊敏なランニング。もちろん走り回っているだけではない。
26:50の岩下へのパス、なんですかあれ。
インサイドを大きく開くことで外回転をかけた絶妙なパス。

66分など多くのシーンにて、フィニッシャーとしての顔も覗かせ、常にゴールを積極的に狙っていた。
ゴールへの嗅覚、精度ともに毎試合仕上がってきている。
多分次戦あたりそろそろ決めてくれる。素晴らしいパフォーマンスだった。

FW:石川 大地

石川なしでロアッソ熊本の攻撃を語ることはできない。
効果的なポストプレー、守備時の効果的なポジショニング、ストライカーとしての脅威。
唯一無二のプレイヤーである。いや大木サッカーが唯一無二なのか...?

何はともあれ、この試合でも石川の良さが目立った。
効果的なポストプレーや裏への抜け出しは数えられない。
守備時の相手CB2枚を遮断するポジショニング。

3点目。落ち着いて沈めることができた。
他にも決定機があったので、できればそっちも決めて欲しかった。

それでも攻守に渡り、素晴らしいパフォーマンスだった。ナイスプレー。

FW:唐山 翔自

4:50の石川への早い裏パス。
6:20のドリブルからの被ファール。
これ以降、攻撃時には常に唐山が絡んでいた
ドリブルでの侵入。積極的なミドル。好プレーの連発。
すべての時間帯で赤馬のような、この上ないパフォーマンスが続いた。

バースデーゴール素晴らしかった。おめでとう!!

80分以降の選手交代

DF:黒木 晃平 (out:三島 頌平) (82分)

クリーンシートで試合を締める。そんなメッセージだっただろう。
黒木が入ることで確実に左サイド、そしてDF全体に安定感がもたらされるはずだった。
実際に、はっきりとしたクリアボールが大﨑に決定機を生み出したし、黒木は役割を十分に発揮したと言える。

失点直後。自陣ゴールに入ったボールを再度蹴り込んでいたが、失点に対する悔しさや不甲斐なさが滲み出たのだろう。
いつも熱い気持ちを持って戦ってくれてありがとう

MF:竹本 雄飛 (out:古長谷 千博) (82分)

もっと顔を出しても良かったかもしれない。
周囲との関係性や個としての違いを出したい。
ナイスプレー。

FW:松岡 瑠夢 (out:石川 大地) (85分)

毎試合、常に自身のベストを発揮している。
前節よりは伸び伸びとプレーすることができたか。
2点は決めれたよなぁ。悔しかったと思う。今後に絶対活きてくるから。

途中交代ながら、毎試合成長が見られている
報われてほしい。ナイスプレー。

チーム総評

 審判団のジャッジには懐疑的なものが多かった。何度試合を見返しても腑に落ちない部分がある。コンテンツポリシーに反するのでこれ以上は言及しない。

 8:50 各選手が周りを見渡したビルドアップ。
 16:00 の石川から右サイドへの展開。よし
 31:00〜の江﨑の治療で1人少なくなったシーン。直ちに大木監督の5-3-1の指示で一時的な布陣変更が行われた。しかし相手に大きな決定機を与えてしまった。
 大本に伝わり切っていなかったか...仕方がないと言えばそれまでだが、チームとして戦術を共有したい場面だった。
 48分。相手ゴールキックからマークが混乱し、ペナルティエリアに侵入を許した。何気ないシーンだが、このようなシーンこそ修正を図ってほしい。
 56分などではチーム全体で素早い帰陣を行い、ボールを回収することができていた。素晴らしい。

 ゲーム全体としては、攻守ともに熊本のサッカーを展開することができた。

 70分以降。不甲斐ないサッカーだった。
 一点の重さ。それ以前にゴールへの熱意
 J1への道のりを考えると後半のゲームの締め方は決して良くない。

 ここからアウェイ2連戦。圧迫された日程だが、アウェイでしっかりと勝利をもぎ取りたい。
 最後の失点、次節に向けて絶対に切り替えること。あとに引きずらないこと。

 一つでも上の順位へ。だれだれろっそ🔥

  • この記事を書いた人

涼火

ロアッソ観戦記「だれだれろっそ!」へようこそ。 ロアッソ熊本のために微力ながら発信を続けています。

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