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ロアッソ熊本観戦記 vs 清水エスパルス(A)

はじめに

こんにちは。ロアッソ観戦記「だれだれろっそ!」へようこそ!
今回は J2 第38節 ロアッソ熊本 vs 清水エスパルス(A)の観戦記を記します。

 なお, 今回もロアッソ熊本の選手名は敬称略とさせていただきます。
 また, チャート画像上の表記は登録ポジションで記載しているため、本節布陣と異なることがあります。
 あらかじめご了承ください。

いよいよ最終節となりました!
熱い主観性と一歩引いた客観性の双方の角度から記した観戦記です。ぜひお楽しみください!

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ロアッソチャートの要素と視点について

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前節の観戦記はこちら!

ロアッソ熊本 vs ベガルタ仙台 (H) 観戦記

試合の位置付け

 本節はJ2第38節 清水との一戦。いよいよ最終節となった。
 ロアッソ熊本は前節,  仙台をホームに迎え3-1の逆転勝利を収めた。立ち上がり早々の失点は、今シーズン3勝のみに留まっていた"えがスタの呪縛"を改めて思い起こさせた。大西ー石川のコンビネーションや、東山のアシスト、ストライカーとその卵である石川や大﨑の活躍でホームは歓喜の渦に包まれた。チームの完成度や雰囲気は止まるところをしらない。

 清水は前節開始時点で昇格を確定させており、ホームにいわきを迎えた。
 清水はいわきの積極的なバイタル付近でのプレスに屈し、鋭いシュートを被ったが権田らの活躍で凌いだ。攻撃面はセットプレー、乾選手を交えたパスワークなど言わずもがな流石首位チームといった高い完成度。

 今節の熊本は、前線からハメに行くなら確実にボールを回収したい。回収できずとも清水の攻撃の流れをディレイもしくは遮断したいところ。
 乾選手は言うまでもなく脅威になりうる。アンカーのみならず、トップ下、インサイドハーフらの選手を交え彼へのパスコースを潰したい
 またセットプレーも重大な脅威である。ただでさえセットプレーに弱い熊本は、簡単にコーナーキックに逃げないこと。不要なファールを犯さないこと。

 前節のいわきには大いにチャンスがあった。守備時のプレースタイルが近い熊本も前線で回収できれば大いにチャンスはある。もちろん熊本ならではのビルドアップも武器となりうる。集中を切らさない。決定機を確実に仕留めたい。

「一歩踏み出します。」前節仙台戦終了後に力強く語ってくれた、退団する藤本主税コーチの言葉。
我々も2025シーズンに一歩踏み出すために、今節終了後のカモンロッソは必至である。
必ず勝って終わろう。

・首位との差を痛感した一戦。
・相手戦術の前半と後半のギャップに早急に気付きたかった。
・充実した内容であった。
・来季こそ必ず昇格しよう。

GK:田代 琉我

失点1。
セットプレーが続く時間こそあったが、それらに係る失点は0に抑えることができた。
DF陣もさることながら、GK田代の的確な声掛けも大きかったに違いない。

カウンターを含む攻撃への嗅覚は常にもち、ハンドリング時には素早くスローイングに転じる場面もあった。 16:30などはフィードをキャンセルするなど、周囲の状況に応じて使い分けていた◎

88分のパワープレー、アディショナルタイムでのパワープレイ。大いに可能性を感じたよ。
特に88分の被カウンターはどうなることかと思った。
無人のゴールは絶望的すぎて、あわやとなったシーンはちょっと笑けてしまった。

最終節の現状況だからこそできたプレー。
最後まで楽しませてくれてありがとう。ナイスプレー。

DF:大西 遼太郎

右サイドやCBアンカー間でのパスワークのみならず、常に前線への裏パスの機会を伺っていた。
印象的だったのは34:50〜のプレー。逆サイドの東山へピッタリのタイミングでゴール前にパスを供給。
大いに可能性を感じるラストパスだった。来季も熊本の武器としたいところ。

39分には熊本コーナキックからヘディングシュート。強烈な一撃を備えた大西の豪快なシュートも見たかった。

攻守両面で重要な役割を果たしていた。
いつもありがとう。ナイスプレー。

DF:江﨑 巧朗

いつもありがとう。 後半こそ押されはしたもののCBの真ん中という大きなプレッシャーのかかる位置で江﨑のハードワークが光った。
17分にはハイボールをすかさず前に出て、インターセプトし結果的に石川のシュートに繋がった。
守備のタスクがアシストに繋がりうる大きな場面だった。 CB間や中盤とのパスワークも安定感が増し、不安を感じる場面はなかった

ナイスプレー。

DF:岩下 航

4:30の岩下スライディングブロック素晴らしい。10:20の岩下のドリブルでの運びで一枚剥がしたプレーは非常に良かった。解説者は気が効くプレーと評した。
22分のミドルエリアでのパスカットなど、今節の全ての時間帯において守備面で大きな役割を果たした。

FWのような存在感のあるゴール前でのプレーは岩下ならでは。
1人で2人, 3人分の活躍だった。素晴らしいプレーであった。

MF:豊田 歩

23分や26分豊田のグランダーのシュートはGK正面だったものの大いに可能性を感じた。
右サイドのパスルート網構築に重要な役割を果たし、31分などは失敗に終わったもののループパスが見られた。最終節で豊田らしさを出されると物足りない気もする。定期的に遊びゴコロの効いたパスを目撃したいものである。

来季の活躍にも期待したい。ナイスプレー。

MF:上村 周平

前半、攻撃時は距離感を味方選手との距離感を微調整しながらビルドアップに参加し、守備時も終盤で高い安定感を維持できていた。
しかし後半は守備に徹する場面が多く見られ、中盤を制するのに目一杯だった印象。
チーム全体として受け身になった場面、強気にいこう、前に出ようといった動きも欲しかった。 無論、そのような声掛けもあったと推察するが、より早期に落とし込みたかった。キャプテンだけの責任ではない。全ての選手で気付き早期に改善したかった。

くれぐれも上村が果たした功績は今節でも非常に大きかった。江﨑と上村の2CBのような雰囲気すらも感じるが、一方で攻撃時の役割も大きすぎる自らミドルシュート。33分など自らミドルシュートを打ち、直接の脅威となった。あのミドルが見れたのは個人的に満足。

素晴らしいプレーだった。

MF:三島 頌平

失点シーン。ペナルティエリアギリギリのエリアだったため、足元に詰めることができなかった。可能であれば早めに潰したくはあったが侵入を許してしまった。 裏へのケアを意識しすぎた結果、ボールホルダに空間を空けてしまった。難しいプレーであったように思う。

彼は左サイドで岩下や東山を活かすプレーをしながらも、68分にはコーナキックのこぼれ球をコンパクトな足の振りでシュート。ゴール前に混戦、チャンスをもたらした。

すべての時間帯で三島の立ち位置は非常に良かった失点に繋がったためチャートの表記はやや厳しくしようとしたが、上述のように当該シーンは非常に難しい局面であった上、すべての時間帯で三島の立ち位置は非常に良かったためMAX気味にした。彼がいなければ、左サイドや中盤はカオスなものになっていたであろう。

ナイスプレー。

in / DF: 黒木 晃平(70分)

黒木の投入で終盤の熊本にもう一度スイッチが入った。

黒木がピッチで与える影響は出場時間に限らず極めて大きいものである。

89分の黒木のスライディングがなかったら同点への期待やチャンスは早期に消えていた。 ただただGKかとさえ思った。 無人のゴールを救ったあの気迫には敬意を表したい

素晴らしいプレーであった。 ありがとう黒木。

MF:古長谷 千博

25分のミドルシュートなどゴールへの積極的な姿勢が見られた。32分など古長谷を経由してのサイドチェンジを交え、相手のプレスを交わし続けた。 36分には相手カウンターの芽を潰すなど、守備の局面でも有効なプレーができた。
存在感は抜群。 後半、相手のフォーメーションが変わり中盤全体の推進力が薄れたため、途中交代となった。
前半に古長谷が残したインパクトは非常に大きく交代が勿体無いくらいである。

in / FW: 唐山 翔自(61分)

61分からの投入。 後半に入って防戦一方だった局面が唐山の投入により好転した。 しなやかなボールキープで推進する唐山のプレーはいつまでも重宝したいし、熊本以外で見たくない。

来季残ってくれないと当分は落ち込むでしょう。

73分のターンや78分のドリブルなど唐山らしさを存分に感じさせた。大﨑や大本らと入れ替わりながらプレーできたらさらに戦術の幅が広がるだろうが、彼らには彼らにしかない良さがある。

来季のJ1昇格の鍵を握る1人になるだろう。

素晴らしいプレーだった。

FW:大本 祐槻

3分に熊本初のシュートを打ってくれた。そこから熊本の攻撃陣が目覚めた。
右サイドでコンパクトなパスワークに関与したものの、 24分頃まで大本らしさを出せなかった。
24分には裏へボールが配給されないことに不満を募らせフラストレーションを露わにした。
ボールやスペースへの強い要求を感じさせた。

30分の決定機は決めたかったが、非常に難しいシーン。
非常に惜しかった。

もっと早い段階に2-3本大本の裏にパスを配給しても良かったと思う。 大本の良さを周りが引き出せなかったため、大本自身にも不完全燃焼感があるかもしれない。 それでも77分などは前向きでシュートが打てていたし、随所で大いに可能性を感じさせるプレーを見せてくれた。
ナイスプレー。

FW:石川 大地

今節はポストプレーよりもゴール前で前向きにのびのびとプレーしていたように感じられる。 前後半で積極的にシュートを放ち続けた
相手の寄せやシュートコースの限定が極めて早かったため、可能性のあるシュートはごく限られた。

石川が流れることで東山の飛び込むスペースが与えられるなど、オフザボールの動きも言わずもがな良かった。
後半は、大本を前向きに使ったポストプレーなども交え、攻めあぐねながらもゴールへの可能性を示し続けた。
ストライカー石川のゴールは見られなかったが、今季終盤の周囲との成熟した連携を来季開幕節から発揮して欲しい。

ナイスプレー。

FW:東山 達稀

唐山や松岡を比較対象には出せない。彼にしか出せない球際の強さ。逆サイドからゴール前の飛び込み。
11:50のアウトサイドでの”はたき”は非常にナイスプレーだった。
大木監督からサイドに留まるようなジェスチャーがなされていたが、彼のキープ力を発端に攻撃に転じたかったようにも思える。
もちろん、鋭いクロスも武器であるため東山のラストパスをもう少し見たかった。
41分などでは、逆サイドから本丸のサイドまで全力で戻りポジション補正、攻撃のディレイに努めた。 個人的に最もインパクトのあった選手の1人である。

素晴らしいプレーだった。

in / FW: 大﨑 舜(70分)

70分からの投入となった。 スピード長い脚で絡めとる特有のボール回収能力を随所で示した。ボールキープができると大いに化けると感じている。

そんな中、今節個人的に嬉しかったのは誰よりも闘う顔になっていたこと。 88分のゴールライン際での諦めない姿勢、あの気迫。コーナーをもぎ取ることができた。その他随所で気持ちを感じさせるプレーを見られた。立ち位置も良くなっている。

左サイドから右サイドに変更になったり、ある試合では難しいタスクを任せられたり。難しいシーズンだったように思う。
石川の近くでなら大いに活きる気もするが、ゴールへ猛進する姿を来季に期待したい。

ナイスプレー。

80分以降の交代

in / FW: 松岡瑠夢 (out FW 大本祐槻 )(86分)

86分からの交代だった。大本が足を攣っていたようだったのでややスクランブル的な交代となったか。

来季の活躍に大いに期待している。

試合内容・チーム総評

勝って今シーズンを締めたかった。
優勝チーム、そして昇格組である清水と熊本との差を痛感するゲームとなった。

結論から言えば、勢いがあるうちに決めきれない寄せが僅かに甘い一瞬の隙をゴールに結びつける力。ここらにあるだろう。

清水の主力選手が控えに回っていたとは言え、前半の熊本のパスワーク、勢いは凄まじいものだった。

相手の選手交代とシステム変更に冷静かつ積極的に対応しきれなかった。

見方によれば消化試合にもなりうるが、我々が求めている勝利以上に必要な闘う姿勢、火の国魂を見せてもらえて十分に満足である。
ATのパワープレーの場面まで得点の香りが続いたからこそ悔しさは残る。

2024シーズンが終わった。大木さん、そしてロアッソ熊本には心から楽しませてもらった。

複数のルーキー選手の加入が決まっており、来季のロアッソはさらに躍進しそうな予感がする。

選手たちは心身を休め、2025シーズンにむけて上向きなオフシーズンを過ごしてもらいたい。

選手スタッフ監督さん。24シーズンお疲れ様でした。

だれだれろっそ!   (編集:涼火)
 

参考:試合ログ

前半のログを見る

ー試合開始ー
1:46
東山クロス→コーナー

3分
大本初シュート

7分
被ショートカウンターから
決定機献上
乾選手のシュートを守り切る

18分
左サイドから被クロス

21分
清水 スタッツ 熊本
37%  支配率  63%

-前半終了-

清水  スタッツ  熊本
3(3) シュート(枠内)  10(7)
41%   支配率   63%

後半のログを見る

ー後半開始ー

64分
乾選手の脱力したシュートが
クロスバー直撃


60分
失点

61:00 交代
古長谷→唐山

68分
コーナーのこぼれ球を三島シュート

70分 交代
三島→黒木
東山→大﨑

後半AT(追加時間)+5分
-試合終了-

  • この記事を書いた人

涼火

ロアッソ観戦記「だれだれろっそ!」へようこそ。 ロアッソ熊本のために微力ながら発信を続けています。

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